北海道の片田舎で

仕事の関係で北海道の片田舎に住む事になった内地の人です。こちらでの生活も10年を超え、中古住宅+リノベ工事により、我が家も手に入れました。

気分は黄昏荘園

今回は駄目リーマンのお気楽日記です。


私がまだ学生だった頃、銀河英雄伝説を書いた田中芳樹が書いたライトノベルに「夏の魔術シリーズ」と呼ばれる小説シリーズがありました。このシリーズは「夏の魔術」「窓辺には夜の歌」「白い迷宮」「春の魔術」という四冊の連作物でありまして、個人的にはとても好きな小説でした。そしてこのシリーズの内、「夏の魔術」と「春の魔術」では、不思議な世界に建つ「黄昏荘園」という名前の洋館が舞台になっています。


小説の中の「黄昏荘園」は、ヴィクトリア風の洋館と書かれており、この洋館を舞台に主人公達の不思議な話が始まる訳ですが、当時の私は勿論、ヴィクトリア風の洋館など見た事もなかった訳でして…こういう洋館を自分も見てみたいな…とよく考えていたものです。


時は流れ、私も実際に欧州に居住したり仕事で今でも時々そちらに行きますので、ヴィクトリア風の洋館に実際に宿泊する機会にも恵まれました。ところが、実際にヴィクトリア風の洋館に宿泊した時も、あの当時「黄昏荘園」を夢見た気持ちにはなりませんでした。やはり年を取ってしまうと、そのような感動とは無縁になってしまうのかもしれない…と思っていたのですが…。


何年か前、何かの機会に恵まれて、道東のチミケップ湖に佇む、チミケップホテルという場所に昼食で訪れる事になりました。そしてこの湖に佇むチミケップホテルの建物を見た瞬間、学生だったあの頃の気持ちが戻ってきたのです。これ…自分が当時イメージしていた黄昏荘園だよ…と(笑)。


チミケップホテルの建物自体は、小説に出てくるヴィクトリア風の洋館ではありません。ですが、このホテルの建物を見た瞬間、当時小説を読んだ時のイメージが浮かんできた訳でして…不思議なこともあるものです(おそらく当時は、ヴィクトリア風の建物を知らなかったので、勝手にこのような建物をイメージしていたのでしょう。)。そしてこのホテル、人里離れた湖にポツンと佇むホテルでして、周りにはこのホテル以外、何もありません。たしか携帯電話も部分的に入らなかったような…。


小説に登場する黄昏荘園…この洋館は現世から分離された不思議な空間に佇む洋館です。そしてこの洋館には、年老いた執事と洋館の主人が二人で住んでいまして…ここに主人公を含むグループがやってくる(実際には呼ばれたわけですが…)という話になっています。ですから、寂れた空間に佇む洋館…という雰囲気が、これまで実際に欧州で宿泊してきた洋館にはなく、チミケップホテルの建物にはあったのかもしれません。


そんな事もあり、機会があれば是非このホテルに宿泊してみたい…という気持ちを持っていましたが、なかなかその機会に恵まれませんでした。ところが先日、ふとした事からこのホテルの招待券が手に入りまして…。この機会を逃す訳には行かない!と思い、明日・明後日と家内とチミケップホテルに宿泊しに行こうと思います。何もない静かな湖畔に佇む洋館…まさに自分としては、「夏の魔術」の主人公のように、黄昏荘園に宿泊する気持ちで、久しぶりに年甲斐も無くワクワクしています。


流石に小説のようにここから不思議な話が始まる…という事はないでしょうが、それでも気分だけは、小説の主人公になってみたいものです(笑)。…とはいえこのホテル、罠がありまして…宿泊部屋の一つは…和室(笑)。「招待券なので、和室でええやろ!」となり、和室に通されることだけは勘弁して欲しいです。はたして、どうなることやら…。



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ガスと灯油…どっちがお得?(北海道版)

北海道の住宅を考える際、必ず出てくるのがこの話題です。ガス給湯システムを使うのか、灯油給湯システムを使うのか…実際どちらが得なのか?という部分です。これについては、各家庭で事情が異なりますので、簡単に正解がどっち…という訳には行きません(実際に条件によって、金額が逆転します。)。とはいえ、特に本州などで計算を行うと、多くの場合において灯油の方がお得(同じ熱量を出すために必要な額を計算すると)という結論になるようです。


そこで今回、暖房器具という観点から、ガスボイラーと灯油ボイラーの比較をしてみました。暖房以外の部分については、後述したいと思います。


まずはガス側の条件です


1. エコジョーズを利用+セントラルヒーティング(料金プランが変わります)
北ガスの場合、このような条件ですと『ゆ~ぬっく24ネオ』というプランが準備されており、エコジョーズ+セントラルヒーティングの場合に適用されます。この場合、基本料金は80 m3を超える場合4,258 円ですが、単位料金は54.36 円/m3となっており、たくさんガスを使用する事が前提のプランとなっています。


2. 北ガスのエリア(料金プランが変わります+都市ガス13Aが使用可能)
前述したプランもそうですが、北ガスの料金はかなり安めです。また13Aの都市ガスが使用できるということは、発熱量が45 MJ/m3ですから、同じ熱量を使いたい際にガスの節約になります(同じ都市ガスでも、12Aや6Aですと発熱量が13Aと比べて小さいです)。


3. 暖房で使用するガスは11月~4月で全て使う想定(基本料金は6ヶ月分で計算)
北海道における一年で暖房に使用するエネルギーの平均値は、戸建てで11,900 kWh程と言われています。この熱量を6ヶ月で使用するという想定で計算しています。



次に灯油の条件ですが、こちらは簡単です。


1. 灯油の発熱量は36.7 MJ/L.で計算します。(出典は「省エネ法」省令別表)


2. 灯油の代金は、今の価格63 円/L.を使用


この条件で比較をしてみました。まずは北海道の戸建てで暖房として使用する一年間の平均的なエネルギーが11,900 kWhですから、これを計算しやすいように熱量の単位である(J)に変換します。1 kWh = 3.6 MJですから、11,900 kWhですと都合42,840 MJ…流石にかなりの熱量ですね。


今回の想定では、家の中でガスや灯油を燃やすわけですから、熱的な損失をとりあえず0と仮定して計算しますが、この42,840 MJを作り出すために必要なガスの量は約952 m3、そして灯油ですと約1,167 L.となります。灯油は1 L = 63 円で計算しますから、この場合は73,521 円(暖房としてのみ)となります。


一方ガスの場合…こちらは6ヶ月で使用する仮定ですから、952 m3を均等割りすると一ヶ月で約159 m3。この場合、『ゆ~ぬっく24ネオ』で計算しますと12,714 円/月ですから、総額76,284 円ですね。ということで、ガスの方が少し高いかな…という計算結果が出ました。とはいえ、これ少しカラクリがあります。


まず灯油ボイラーの場合、IHなどを使用し台所でガスを使用しない場合はこれで良いのですが、台所でガスを使用する場合、ガスの基本料金が入ってきます。こうなると…かなり微妙な感じですね。また北ガスの場合、エコジョーズを利用し北ガスの電気を使用するとなると…電気料金が下がる訳でして…。これらの事をトータルで考えますと、北ガスエリアの場合、ガスの方が得でない?という結論に至りました。(ガスの計算も6ヶ月均等割をしていますから、ここの部分で差が出てきますと、大勢に影響はないとは思いますが、少し微妙です)


ちなみに…今回の11,900 kWh/年という総量…これは現在の住宅に対応する数字のようですから、今回私が購入した中古住宅の場合…断熱性が悪くなるため、実際にはこの数字が増えると思うわけでして…。


試しに15,000 kWh/年でも同じ仮定で計算してみました。…そうすると驚きの額が出てきました。


ガスの場合:89,364 円
灯油の場合:92,673 円


あれ?逆転しているわ(笑)。まぁ、様々な仮定が入っているため、どこまで実情に即した形になっているか…こればかりは何とも言えませんが、少なくとも今回私の家の場合、ガス給湯を選択した事は、間違いではなかったのではないか…という結論となりました。


北海道の片田舎ですが…北ガスのエリアで本当に良かったです。ちなみに…暖房以外の給湯や台所の部分も考えていきますと…量を使えば使うほどガスが有利になる訳ですから、灯油とガスの差額は更に広がっていきますので、住宅トータルで考えても、この結論で良いような気がします。


やはり北海道の場合は、本州での計算とかなり変わってきますね(セントラルヒーティングを想定したプランが最初から準備されている訳ですから)。



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断熱サッシについて考えてみる (Part 1)

私が住んでいる北海道の片田舎ですが、最近雪が降っておらず、先日の季節はずれの雪で積もった雪が少しずつ溶け始めています。これが春であったら幸せなのですが、生憎これからが冬本番。折角溶け始めた雪ですが、おそらく12月の最初の頃には元の木阿弥に戻ると思います。


さて、ここのところ仕事が忙しくなっており、なかなか明るい内に時間を見つけて購入した住宅に行っていないのですが、少し気になる事があり調べ物をする事にしました。先日の工務店さんとの二回目の打ち合わせの際にも話題に上りました「断熱サッシ」についてです。北海道に住む以上、断熱は必須。とはいえ、先日の日記ではありませんが、壁の付加断熱については取り止めの方向です。


そこでまずは家のどの部分が一番断熱を考える上で問題になるのか?という事から調べ始めました。断熱サッシを取り扱っているメーカーのサイトなどを見ますと、次のように書かれています。


冬:暖房を使用している際に熱が住宅外に逃げる場合


  換気:16.7 %
  外壁:17.5 %
  屋根: 6.5 %
  床 : 8.3 %
  開口部:51 %


出典:樹脂サッシ普及促進委員会 
   (平成11年省エネ基準の住宅モデル)


お…おぅ…な数字ですね。私が今回購入した住宅は築34年ですから、この基準の住宅ではないため、おそらく外壁及び屋根から逃げる熱の割合がこれよりも多い事は予想出来ます。しかし、それでも開口部から逃げる熱はかなりの割合になります。だから樹脂サッシを買ってくださいよ~というのが、この情報の主旨だとは思いますが、それでも数字については、ほぼ同じような数字を工務店さんも言っていましたから、それなりに根拠がある数字なのでしょう。


となると、壁部分以上に断熱サッシには気を使わなくてはいけません。そこで今回登場するのが、前回の工務店さんとの打ち合わせで出てきた三協アルミのプラメイクです。工務店さんからの説明では、「多少安っぽく見えてしまいますが、値段以上の効果は保証しますよ。それと安く上げるのであれば、これは良い選択肢になります。」との事でした。


ためしに三協アルミのサイトを確認しますと、「…なるほど。」と思いました。要はこの商品、現在あるサッシの内側にもう一つサッシ(このサッシがプラメイクになります)を作り、間に中間空気層を作る事で空気の断熱効果を利用する商品のようですね。しかもプラメイクには色々なタイプがあり、複層ガラス仕様の商品もあるようでして…この複層ガラス仕様の物を単板ガラスサッシと組み合わせるだけで、熱貫流率が2.33 W/m2・Kとなるそうです(通常の単版サッシですと、熱貫流率が約6.0 W/m2・Kですから、その効果はかなりあります。)。


ちなみに…以前断熱材について書いた際に出て来た、熱伝導率(W/m・K)と今回の熱貫流率(W/m2・K)は似たような因子なのですが、熱貫流率は、材料の厚みも加味された因子のため、その窓が実際に1時間に1 m2の面積でどれだけの熱量を通過させるのか?を見る事が出来るため、より考えやすい数値かもしれません。とはいえ、意味合いは同じため、この数値が小さい方が断熱性に優れているという事が言えます。


…たしかに、このプラメイクの複層ガラス仕様の物を使用すれば、見てくれの問題は別にして、断熱効果はかなり期待出来そうです。しかも今回の私達の住宅の場合、二階部分に対してこれを使用する予定ですから(一階部分については、サッシを現在の仕様に総とっかえ)、既に二重サッシになっている内側に、複層ガラス仕様のプラメイクを入れる事になります。…いくら外側が古いサッシでも、都合ガラス4枚も入り、樹脂サッシも導入ですから、流石に大丈夫なのではないか…と思っている次第です。


実際のところは、そこに住んでみて温度計を使ってその効果を見て行く事になりそうですが(このような測定は、仕事柄結構好きだったりします(笑))、いずれにせよ今よりは快適な生活になるのではないだろうか…と少し楽しみにしている今日この頃です。


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