北海道の片田舎で

仕事の関係で北海道の片田舎に住む事になった内地の人です。こちらでの生活も10年を超え、中古住宅+リノベ工事により、我が家も手に入れました。

南極の氷

この仕事をしていますと、仕事柄おかしな人達と知り合う機会も多いわけです(類は友を呼ぶ…という意味では、私自身もおかしな人かもしれませんが…)。今日は、そんなおかしな人達との会合があった日でして…その中の一人が、大きなクーラーボックスを片手に会議室にやってきました。


この人、よく珍しいお酒を片手にやって来ては、その日の仕事終了後の懇親会にて、皆で飲む!という事が好きな人。おそらく今回も珍しいお酒を片手にやってきたのか?と始めは考えた訳です。


「○○さん、お久しぶり。今日もそれ、珍しいお酒?」


「うんにゃ。今日はもっと凄い物持ってきたよ。懇親会楽しみにしていて。」


と軽く挨拶をしてから、『真面目』に仕事をしました。さて、そんな仕事の時間も終了。いよいよやってきました懇親会。既にテーブルには様々な料理やお酒が並んでいますが、その人の持ってきたクーラーボックスはまだ開きません。『あれっ?』と思っていたら、いきなり爆弾発言。


「南極の氷持ってきたから、これで酒飲もうぜ!」


そう。この人、南極観測隊の研究員。南極の氷に大穴開けて、70万年程前の氷の採取などをしている、正真正銘おかしな人です。今回持参してきた氷は、昭和基地周辺で採取した物。後生大事に南極から溶けない様に細心の注意を払って帰国した後、職場の冷凍庫で大事に保管していた物を提供してくれるという大判振る舞いのようです(流石に70万年前の氷は研究対象らしく、すくなくとも研究が終了するまでは使えないとのこと…終わったら使う気か?)。


これが南極の氷。通常の氷よりも気泡が多いかな…と感じました。


「これ…多分ネアンダルタール人が現役だった3万年くらい前の氷だから、内部に3万年前の空気入ってるのよ。今の空気の組成と違って二酸化炭素濃度が少し高めだから、それを感じなが…って無理だわなぁ~。さっさと酒飲もうぜ、酒!」


と、豪快な挨拶の後、早速乾杯。それにしても…こんな物持ってくるなら、先に言え!紙コップに南極の氷を入れて、酒を注ぐ…先に言ってくれたら、グラスくらい用意しておくよ!


紙コップに南極の氷ではね…(笑)。


ちなみに南極の氷の内部には多くの気泡と共に、3万年前の空気が封入されています。そして氷の形成メカニズム的に、気泡の内圧が通常よりも高いため、酒を注ぎコップに耳を当てると『プチプチプチ』という空気が弾ける音を楽しむ事が出来、これが3万年前の空気か…などと思う事もなく、酒を楽しむ事が出来ました(笑)。


「どうよ、南極の氷は。冷凍庫の氷と全く同じ味やろ!?でもこの氷、蒸留水で作った物と同じくらい純粋な氷やから、化学的に綺麗な氷という意味では、気分ええやろ?」


との本人の言葉。まぁ、たしかに味は普通の氷ですが、南極の氷と言われると、ありがたみも出てくるわけでして…。その日の懇親会は大盛況の内に幕を閉じました。今回の懇親会で結構な量の南極の氷が、我々の胃袋に消えていきましたが、提供してくれた本人も大満足だったようです。あげくの果てにはこんな事を言っておりました。


「まぁ、また次に行った時に持って帰ってくれば、いいんじゃね?」


はい、ごもっともです。それにしても今回はごちそうさまでした。



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